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ただ純粋に前を見ていて・・・

思いつくまま ただひたすら 虚構を綴っていきます・・・・・・・・・・・・
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「じゃぁ、俺も白について行く」


もう、置いてかないでくれ…

キミが居ないだけで 気が狂いそうだ…


「黒まで来ちゃったら、社は誰が守るのよ!」


「社には、みおんさんが居てくれてる」


「そんな…みおんさん1人じゃ 祈祷もできないじゃないの!

黒には当主としての自覚はないの!?」






キミの一番はなんですか?





「白が居ないなら、当主になんてならなかったよ。

白が居ないから、社に居られないんだよ…

あんな息苦しい場所に居られるかよ!」



三尾神社の境内の空気は嫌になるほど澄んでいて 冷たく 落ち着かない。

それは まるで牢獄のよう…



「ねぇ、わかって…

私だって黒と居たいのよ。

だからこそこうやって咎を絶ち切る術を探してるの」



三尾家は継承者となる子を1人しか儲けてはならない。

それが今まで破られたことのない決まりであった。



「だから、咎など存在しないって言ってるだろ!

俺たちは兄弟なんかじゃない!赤の他人なんだよ!!」




キミには咎などありはしない。

咎…

それは己自身の存在そのものなのだら…




咎とは己自身のこと。存在そのもの。
キミの側に居ること。キミの側から離れられないこと。
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「正当な三尾神社の継承者は 白だよ」


「そりゃ 私の方が先には生まれたけど…

でも…力は黒の方が優れてるわ。だから…」




可愛い 可愛い キミ。

あといくつ羽折れば 縋り付いてくれるだろう…



「それ以前に 俺は…



   これっぽっちも三尾の血を引いちゃいないんだよ」




「な…なに?藪から棒に…

そんなこと言ったって 旅は止めないんだからね」




そうやってまた離れていこうとするんだね。

いっそ その足掻く足を奪ってしまおうか…

別になんの不便もないさ。

面倒は全部みてあげるんだから…



「俺がここに居るのに…白は他に何を求めるんだ?」


もちろん 答えなど聞く気もない。

怒りをあらわにした瞳でキミを射抜く。



けれど キミは微かに笑ったんだ…




「黒と一緒にいられる世界だよ。

だから 絶対諦められないよ!



どんなことがあっても

私は黒と一緒に

未来を歩くんだから!!」




キミが居る世界…

キミと居る世界…


キ ミ を 得 た 世 界 …


どこか違うのか?




キミの夢を いつまで守ってやれるだろうか…

咎・・・

なぜキミと居ることが咎なのか。

切望したこの想いは キミにとって咎としてしか映らないのか・・・



「白には 俺は必要ない?」


「え・・・」


「俺は白と居られれば なにもいらないのに・・・」



赤い糸が 真紅に染まる。



「く・・・ろ・・・。 ち・・・違う! そうじゃないっ!」


「じゃぁ、一緒に居てくれる?」



見開かれたキミの瞳に映る 己の笑顔。

そうだよ。

キミを手に入れたら 後はどうでもいいじゃないか。



ドンッ


いきなり突き飛ばされ バランスを崩して尻餅をついた。

驚いてキミを見上げると 睨み付ける瞳とかちあった。

なぜそんな辛そうな顔をするのだろう・・・



「いい加減にしないと怒るわよ!

一緒にどころか、同化さえしかねないわ!」




「白と一緒に居られるならそれでもいいのに・・・」



「一緒にって・・・ もし同化したら黒も私も居なくなっちゃうのよ!!?」



ククク・・・



「な・・・なに?」



「ねぇ。白はどうして同化すると思うの?」



「だ・・・だって。掟で継承者が二人存在しちゃいけないって・・・

掟に違う私たちは 咎を受けるわ」




そう・・・だけど 真実はそこにない。



「継承者は白だよ」



「・・・え? なに言ってるのよ? 黒が継承したじゃないの・・・」



「うん。だってそうしないと白と一緒に居られないからね・・・」


キミと居るために キミを振り向かせるために キミの全てを奪わなければ・・・




咎・・・ それは俺が仕掛けた甘美な罠。

「なに言ってんだろな 俺・・・

今のなしっ!!

白に会えてさ  なんか甘え癖でちゃっただけだからさ

・・・


この歳になってなに恥ずかしいこと言ってんだろうな」




そう言って無理やり笑ってみる。

頬はしっかり引きつっていたけれど・・・



「黒・・・ この赤い糸が見える?」



肯定の意味でコクリと頷く。

赤い糸・・・

キミとの唯一のつながり。

この赤い糸には実体は無く、ただふわふわ宙に漂っている。



「じゃぁ、いつからこの糸が見えるようになった?」



この糸に気づいたのは・・・



「白が居なくなってからかな・・・急に見えるようになった。 白は?」



「私は5年位前から見えてるの」



そんなに前から・・・



「しかも 年々明瞭になってきてる。ほら、こうやって引っ張ることだってできる」


ぐっ


赤い糸を引っ張られ、身体が傾ぐ。

実体など無いのに 実際に存在する 赤き紐。

これは一体なんなのだろう。



「あと5年もすれば きっとこの糸は具現化すると思う」



「俺たちは離れられなくなる?」



キミと離れなくてすむならそれはそれで・・・



「そんな生半可なものじゃないと思うわ・・・
忘れたの?

だって、これは私たちに科せられた咎に違いないのだから・・・」






赤い糸は 咎の糸。
キミの側に居られるなら 咎でもなんでも 喜んでこの身に受けよう・・・

「何で・・・」


なにがなんだか分からなかった。

ガクガクと震える身体を隠すように、キミの肩を強く揺さぶった。


「何でなんだよ!!」


すでに涙に濡れた声は、囁きに近く キミにしか届かないだろう・・・


「黒・・・」


あやすキミの手に憤りを感じた・・・


「どうしても行くなら 俺を斬り捨てていけばいい」


「なに言って・・・」


「ここで斬り捨てられるより 中途半端な優しさの方が残酷だって なんで気づかないんだよ!!」


どうせ置き去りにされるなら、言いたいだけ言ってやる!

キミが居なくなったら、言いたくても言えなくなるんだから・・・


「いまさら 俺一人で生きて行けって言うのかよ!

 散々 幸せな夢見せといて ヤバくなったら逃げるのかよ!!」



自分で言いながら 気づいてる。

これが真じゃないということに・・・

そして 逃げているのは自分だと言うことも・・・

なによりも いつも身を挺して守ってくれたキミが

先に弱音を吐いたことなどタダの一度も無かったのだから・・・


「黒・・・く・・・ろ・・・ うぅぅ・・・」


残酷なのは 自分。

逃げたのも 自分。

キミを責める資格など微塵も無いのに。

キミの涙が 愚かな己を責める。


「し・・・ろ・・・・・・。俺 どうしたらいいんだ?

どうして側に居てくれないんだ?

どうして置いて行くんだ?

どうして・・・」



いつまでもキミに頼り切りな自分が・・・嫌で嫌でたまらない。

どうして・・・

どうして・・・

キミを泣かせることしかできないんだろう。。。



キミを責めることしかできない愚かな自分が大嫌いでたまらない。
どうして、キミの涙を止めてやることができないんだろう・・・

虚構短文詩「キミの涙」

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