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ただ純粋に前を見ていて・・・

思いつくまま ただひたすら 虚構を綴っていきます・・・・・・・・・・・・
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波に揺られて 海を過ぎ 黄色い絨毯にたどり着く。

ざわざわと銀杏の葉が風になびき 囁きかける。

心地よい声音は眠りを誘うけれど

だって

キミの声じゃないから 振り向かない。

熟れた紅葉が情熱を呼び覚ますけれど 心は温まらない。

だって

キミの瞳の色じゃないから。

やっぱり、キミがいい。

キミじゃないと駄目だ。

キミ以外・・・

いらないよ。



海を渡る頃には秋に差し掛かっていた。
黄色の銀杏のざわめきも、紅葉の赤もキミには遠く及ばない…
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ずるずると ずるずると 足跡を引きずって 

それでも前へ 未来へ 前進し続ける。

次の白銀の地で キミに会えると 知っているから。

そう。あの名も無き木の下で。

純白の絨毯に囲まれて 笑顔のキミが出迎えてくれるから。

だから ただ純粋に前を見て往くよ。



強制的な歩みは止むことなく続く。
次の冬にはキミに会えるだろう。そう確信していた。
だから、今は迷わず純粋に前を見て往こう。

どれだけの道のりを歩めばたどりつく?

キミの面影は微塵もないけれど、

キミの歩いた道には赤い糸が見えるから。

己が半身を取り戻すために、

血の滲む切望が 渇望が 呪のように支配し

赤き糸が身体中に絡み付き 引きずられる。



長い道のりを、赤い糸を手繰り寄せながら歩み続ける。
否、赤い糸に絡みとられ引きずられている…

海の洞窟で一夜を明かす。

天上にかかる明るい月は 無数の星を従え さらに神々しく

雲のシルエットは 妙に優しさを添えていた。

この眺めをキミと見ることが出来たら…

彦星と織姫のように 1年に1度でも逢えたなら…

あの日から5年が過ぎ 背は追い越されただろうか 髪は伸びただろうか

己が姿を水面に映し キミの姿を偲ぶ。



海の洞窟で見た月は神々しく、無意識に祈る。
水面に映る己が姿に、キミを重ねる。

浜辺で独り佇む。

寄せては反す荒い波が

激しい恋慕と、弱い己が心のパラドックスを現しているようで

何時間も 何時間も じっと見守っていた。

鳥がねぐらに帰る頃

真っ赤に熟れた夕日が 何もかも飲み込んでしまいそうで

心が不安定に震えた。

キミが居ないだけで、こんなにも弱くなる自分がガキだと思った。



海の波が、自分を現す鏡のようで目を離すことが出来なかった。
そこには弱い自分がはっきりとあって、キミの在り難さが痛かった…

虚構短文詩「キミの涙」

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